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絵本 マボロシの鳥

爆笑問題・太田光さんの小説「マボロシの鳥」→マボロシの鳥
影絵作家、藤城清治さんが絵を提供して刊行された絵本です。
絵本といっても、あとがきを含め83ページというボリューム。
通常の絵本の3倍近い40枚もの影絵が添えられています。その影絵の美しいこと!
87歳の藤城さんが「僕としても一番の作品」と胸を張る自信作―と言うのにも納得です。

昨秋、太田さんが初めての短編小説集「マボロシの鳥」を出版し
すぐに子どものころから好きだった藤城氏に献本。すると、本を読んだ藤城さんが
「何ともいえない鳥だけれど、僕になら絵にできるのではないか。
これは描かなくては、と思ってしまった」ことから、絵本化がスタートしたそうです。
藤城氏自身が、もう年だし(87歳ですもの!)、これだけの絵本を作れるのか不安だった
と言っていたそうですが、下絵・切り出しに3カ月という驚異的な速さで仕上げ
これまでで一番力を入れた作品。と、夢中になって作ったと話しています。
すごいなぁ。人間いくつになっても挑戦だ!なんていうけれど
現実はそう生易しいものではありません。
でも、燃えたぎる創作意欲で、たくさんの絵を作った藤城さんの姿に
人間としての底知れぬ可能性を感じ、自分もそうでありたいと願いつつも
凡人にはたどり着けない境地なんだろうなぁと、気持ちは上がったり下がったり。
これまた複雑なのでありました。

物語は、小説の文章を絵本として読みやすく変えているものの、内容に変化は
ありません。芸人「魔人チカブ―」のとっておきの芸は、この世のものとは思えない
美しい鳥を舞台で見せることでした。しかし、ある日、鳥は逃げてしまいます。
落ちぶれたチカブ―の前に現れたものは…天才芸人の光と影を描いた物語です。

いつの時代か、どこの国のことかは、わからないまま物語は始まります。
そして、もうひとつの違う世界の物語と、行ったり来たりしながら
お話が進行していきます。

物語をつなぐキーワードは「この世界は、きっとどこかでつながっている」
そして、別の世界の王様が、手にした大切なものを「手放す」ことによって
破滅への道を避けられた。と語っています。
手放すべき時に、手放すべきものを、手放せるか否か、が
破滅と繁栄の分かれ目との指摘は、今の政治の混迷を示唆しているかのようです
(3.11の大震災の前に書かれた小説なのに!)

まずは、手にとって影絵の美しさを楽しんでください。
購入しなくても、公共図書館で貸し出してくれるますよ~♪

この本の詳細→絵本マボロシの鳥
 
小説を出版した新潮社の了解を得て、藤城さんが長年仕事をしてきた講談社から出版。
という、異例作でもあります。


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